会社概要 [ 創業の想い ]
長く規制業界にあった我が国の石油業界は、1985年に10年後の1996年4月に自由化市場へと移行することを決定した。石油元売り各社は各社各様の自由化対応の準備を始めた。私、創業者は先進海外の自由化戦略事例などを研究し、自由化市場で生き残るには「4つの戦略がある」ことに着目し、これから荒波に遭遇するお世話になった石油業界の方々にお伝えしようと1996年4月に弊社を設立したのである。翌年「よくわかる石油業界初版」を自由化対応の教本(約4万部)として全国各地の石油関係者を対象に活動を本格化したのである。この活動は規制緩和を控えていた金融・電力・ガス・新聞などの業界からも着目され現在に至っている。(石油業界規制緩和の10年後には13メーカーは4社グループ、サービスステーションは60000か所が30000か所へと予想した通りの凄まじい淘汰の歴史となっている。今後日本はさらに自由化市場へと加速する。)
社名はヒュ-マンウエア・コンサルティングとした。経営は3つの構成要素で成り立っているとすればそれはハードウエア、ソフトウエア、そしてそれらを目的に沿って統合化させるヒュ-マンウエアである。結局はヒュウマンすなわち人が中心となり鍵を握るのである。顧客満足で世界的に有名なベッチイ・サンダンス女史からネーミングが素晴らしいと直筆のコメントいただき大切にしている。
また私、創業者の様々な経験から弊社はコンサルティング会社が嫌いなコンサルティング会社である。コンサルタントとは何者か、さまざまな定義があるが弊社は、「名キャディであれ」としている。選手を尊敬し、自信と誇りを与える、勝てるように徹底してサポートするそんなコンサルティング会社を意図したものである。選手にはならないことである。それでいて上品でありたい、そんな思いから命名したものである。
「顧客満足とは何なのか」この問いを探求し続けていた研究者と出会ったのが1996年8月である。早速研究会に参加し、1997年3月研究グループとアメリカCS視察研究に出かけ、そこでマルコムボルドリッジ国家品質賞(MB賞・日本版呼称:経営品質)に出会ったのである。何が素晴らしかったのか、アメリカが「日本から学んだ学び方」に刺激を受けたのである。学ぶとはこういうことなのだという感動である。全体と部分を如何に整合させ卓越した成果を創出するかこの思考体系の素晴らしさに感服したのである。アメリカから学ぶものはコンテンツ(いわゆるハウツー、俗に言われる3文字英語)よりも、コンテキスト、コンセプト思考法である。日本企業が弱点とされるこの思考方法を企業が身につけることで自由化市場での競争力を強化することができる、長年の実務経験から得た閃きと確信から弊社は経営品質向上プログラムに特化し創業の理念を追求すると決めたのである。「学び方を学ぶこと」は終わりなき追及の旅である。
弊社は社員や多くの方々の御支援をいただいているファミリーカンパニーである。創業者の私、長男、次男も経営に参加している。ファミリーカンパニーには長所があれば短所もある。私には、終生忘れることのできないM氏との出会いと至宝の言葉がある。社員数1万人、日本では知らない人がいないと思われる某企業で経営品質向上のお手伝いをさせていただくお話しがあり、情報管理などの観点からトップであるM氏との面談を行った時である。弊社のようなファミリーカンパニーは当然対象外になるだろうと考えての面談であったがその時にM氏から「御子息を入れてでもこの仕事に誇りを持ち取り組んでおられるのですね。これ以上信頼する事由はないでしょう。よろしくお願いします。」と言われた言葉である。この言葉を裏切らないことこれが私の弊社への永遠の誓いであり継承の魂である。
コンサルティング会社とはなにか、企業の発展のために御支援させていただき報酬をいただく仕事である。報酬をいただく限りその道のプロフェショナルでなければならない。その道のプロフェショナルと評価いただくためにはそれにふさわしい実践とその理論的裏付けへの不断の努力が不可欠である。この道で誰よりも本気で現場と向かい合い、お役にたつために人以上に学習する、研究することが重要であり当然のことである。弊社の社員は、全員学位取得のために研究しているのではない。プロフェショナルとしてお客様のお役にたてる人としての研究である。終生学習が弊社のモットーである。(創業者は55歳から第二の学習を始め学位を得たという率先垂範事例である)
「経営品質」というこの言葉を弊社は大切にしている。逆説的ないい方だが経営品質は「分かりにくいからもっと分かりやすくする」という考え方もあるが、「分かりにくいからこそ意味がある」という考え方である。経営とはビジョン必達の方法論とすれば、品質とは「顧客が評価する価値」であり、価値とは質であり量ではないのである。顧客が評価する価値は、時とともに常に変化するものであり、その変化に適応できない人や組織は市場から淘汰されることは必然の理である。質(価値)の追求とは人の質を高めること、組織の質を高めること、強いては企業の質を高めることであり、社会の質を高めることである。質が量を作るのである。企業規模の大きさを競う概念ではなく企業の質を競う概念でもある。経営品質という概念は、我が国の企業の99.7%を占める中小中堅企業に最適な経営の概念であり多くの中堅中小企業への支援を軸としている。「質」の追求とは終わりのない旅である。
弊社は、組織の質を高めるには二つの学習体系が必要であると考えている。1つは修養的学習であり、1つは実益的学習である。実益的学習の成果をより高く導くのは修養的学習という土台の大きさに影響されるのである。企業という組織において社員の教養力を高める必要性がますます重視されている。人生の大半を会社という職場で過ごす中で、如何に組織価値観を共有しつつ教養力を、1人1人に強制することもなく、型にはめることもなく、洗脳することもなく自然的に1人1人の教養力を高めるために経営品質概念を用いた学習モデルとその実践方法を社会に提供している。教養とは人の心がわかる心、組織の心がわかる心、お客様の心がわかる心、社会の心がわかる心へとつながるのである。
ゴーイングコンサーンとしての事業継承は重要なテーマである。どの会社にも企業の想いとそれを形にした商品サービス、そして提供先のお客様がおられる。如何にいいバトンタッチができるか、さまざまな方法があるだろうが、原則は価値観の継承とお客様に満足いただける技術の革新である。価値観の継承とはその企業の本質、何を大切にして社会のお役に立とうとしてきたのか理念の継承である。技術の革新は、常に時代の要望に役立つ商品やサービスを開発し提供し続けることである。この継承と革新を進める上で、残すもの・捨てるもの・磨くもの・取り入れるものを正しく時間軸にあわせて正しく選択すること、そして継承と革新の二つを同時的に統合された1つのものとして継承することで未来への道が開けるのである。
今は過去であり現在であり未来でもある。アップルを大きく育てたスティーブ・ジョブズ氏も、自分がやりたいことにその時を全力で取り組むことでそれが点という跡を残し、あとで振り返ればその点が線となり、そして今があると述べている。経営品質という素晴らしい概念をもとに人の質、組織の質、社会の質が高まるようにほんとうに微力で小さな存在だが出会った方々と互いにその瞬間をベストで臨む、今是久遠 Here Now が 弊社の永久の信条である。